たらの木(楤木)| 里山パレット図鑑

たらの木 楤木


ウコギ科タラノキ属 落葉低木

たらの芽の天ぷらなど、山菜として親しまれたタラノキ。
秋頃に、近くの土手で見つけた背が高く伸びたタラノキの枝には、熟した実が房状になっていました。
実の部分のみを採集し、染料にしています。

花言葉

強い態度・他を寄せつけない

里山パレットでの染色部位

ブルーグレー


基本情報

日当たりの良いところで育つ極端な陽樹で、山野に自生する高さ2~4mの樹木。茎にも葉にも棘がある。「たらの芽」は春に芽吹き、葉は良い香りがする。夏の8月頃に、多数の小さな花が咲き、多量の蜜があふれるため、蜂や蝶など様々な昆虫が集まってくる。10月頃、黒紫色の小さな実が熟し、鳥たちの食料になる。

補足情報

●タラの芽は山のバターと呼ばれるくらい、多くの油脂、タンパク質を含んでいて、栄養価も高く、天ぷら、おひたし、油いため、胡麻和えなどで食されることも多い。

●他の樹木に覆われて陽が当たらなくなると枯れてしまうため、伐採後や山火事で焼けた後の土地、林道ののり面などが生育地となる。森林が人的または自然災害で破壊されると、復旧の第一歩となるパイオニア植物として、生育をはじめる。


大森ばなし

春になると、まっすぐに伸びたトゲトゲの枝の先端に芽吹くタラノメは大森町を代表する春の山菜のひとつ(春の山菜の代表は地域によって異なり、大木の多い深い森ではタラノキは育たない)。大森は史跡の整備のために木や竹を伐採するからか、タラノキをそこかしこで見る。

明るい山でぐんぐん育つタラノキは、数年で数メートル伸びる。去年、一昨年までは手が届くちょうどいい高さだったのに、今年は全然届かないなんてことも。革の手袋で掴みながら(それでも棘は貫通して痛い)やっとこさ採る。美味しさのためなら多少の怪我も仕方なし。タラノメあるあるである。一時期は採れすぎて仕方がないほど食べたが、ここ数年ははるか上空に芽吹くタラノメを指を咥えて眺める時間の方が多くなってきた(やばい)。安定して高さが維持されるポイントは、山おじさんたちの激戦区と化してきている。

そんなタラノキは夏には白い花が咲き9月頃には、紫紺色の小粒の実が房状に実る。見た目はブルーベリーを小さくしたような感じで、味はブルーベリーから甘さを引いて、苦味を加えたような野生味のある味。木にオスとメスがあるのか、全ての木に実がなるわけではく、実がとれる木は貴重である。

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