日本各地に自生し、山野の日当たりの良いところを好むカラムシ。古くから繊維を採るために栽培され、苧麻(ちょま)や紵(お)とも呼ばれてきました。春から夏にかけて青く茂った茎や葉、秋に掘り起こした根を染料にしています。
ずっとあなたのそばに
葉から根までまるごと
あかちゃ
日本、マレーシア、インドに自生し、栽培されてきた。地下に木質の根茎を伸ばして繁殖する。先端は地下茎となり、高さ1~2mになる。広卵形で先がとがった葉が互生する。葉には鋸歯があり、裏に白い腺毛が密生する。夏から秋にかけて葉の根元の部分に花をつける。
古くから衣服の重要な繊維素材として、茎を蒸して皮をむき、表皮の内側にある繊維を取り出して利用されてきた。糸にすると麻とよく似ていて苧麻(ちょま)とも呼ばれるが、麻(クワ科)よりも細く光沢があり、夏の高級織物の原料となった。からむしや、からむしと麻で平織りにした布を上布とよび、現在でも近江、越後、能登、宮古、八重山の上布は、主に夏の和服として愛されている。
大森のそこかしこで自生しているのを見かける、からむし。見かけは地味で夏の雑草というイメージを持たれる方も多いかもしれない。刈り取ってもすぐに生えてくるので生命力の強い植物だなと思う。からむしの葉はニワトリもヤギも大好物のようで、夏のエサに困ったらまず、からむしを株ごと刈り取り食べさせる。 夏場の花が咲く前に長く伸びた茎を集め、中の芯をとり、表皮を包丁の裏などでこそぎ取ると繊維が得られる。透き通るような透明感のある白い繊維でとても丈夫なので、胡桃の皮を縫い合わせて工作する時や革細工にもよく使う。里山パレットでは、この丈夫なカラムシを根っこごと引き抜き、根、茎、葉のすべてを一緒に染料として使う。
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