友達が話を聞いてくれません。| 新里カオリのお悩み相談室

相談者は神楽にはまっている

ここは「新里カオリのお悩み相談室」。

三浦編集室読者の皆さまからの様々なお悩みに、広島・尾道市の立花テキスタイル研究所主宰・新里カオリさんがユーモア&愛情たっぷりにこたえてくださいます。

※この記事は2021年2月発行の「三浦編集室Vol.6」から転載したものです。




<今号の相談>

友達が話を聞いてくれません。たまたま聞いてない時もあるかもしれませんが、俺が何かを話しても相手にされないことがあります。どうしたら話を聞いてもらえますか?

(こうた・10歳)

A、こうた君、こんにちは。お友達が話を聞いてくれないとのこと、時々は仕方ないですが、しょっちゅうだと悲しくなりますね。でも、こうた君は「話を聞いてほしい」と思っているくらいですから、そのお友達のことが大好きなんですね。

一度、タイミングを見て真剣にその気持ちを言ってみるのはどうでしょうか。

夕日が綺麗な日とか、川のせせらぎが聞こえる道すがらとか、こうた君が「今だな」と思う、落ち着いて話せそうな時に切り出してみるのはいかがかと思います。

中には改まって話をされると、照れて余計にふざけてしまう人もいるかも知れません。でも、心の奥底ではきっとゆっくり、考えてくれると信じて、焦らず待ってみてはどうかと思います。

それから、生きているとどんどんいろんな人に出会います。人だけでなく、様々な動物にも。人間も動物も、みんな違う考え方や感性を持っていますよね。こうた君の兄弟はどうでしょうか。同じおうちに生まれて一緒に暮らしているのに、なんで?って思うことをしたり、すごいなあって感心することもあるかと思います。

この地球上にたくさんの違う考えを持った生き物同士が寄り添い合いながら生きているんですよね。で、考えが違う、というのは生物が生き残っていく上で実はとっても大事なことなんです。

みんな同じ行動を選ぶと、もしも危険が迫った時に、みんな助かるか、みんな助からないか、どちらかになってしまいます。助かる場合はいいのですが、そうでない場合、人間は全滅してしまいます。

この「考えの違い」が全滅から自分たちを救う、大きな意味を持っているんです。それに、みんな同じだと、好きな人も一緒になって、ケンカになってしまいますね。それもとても困ります。みんな違う方が、全体的にはうまくいくんですね。

だから、これから出会う人の中には、どうも分かり合えないなあ、と悲しくなる人にも出会うかも知れません。そんな時はさっきの「種の存続」のことを思い出してください。もちろん、考え方が似ているから好きになる、とは限りません。反対だからこそ面白い時もあるのです。人間って、ちょっと複雑ですね。

お友達に気持ちが伝わって、こうた君の中にあるモヤモヤや心配が、春の風と一緒に吹き飛んでいきますように!

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新里カオリ(にいさと・かおり)
1975年 埼玉県生まれ。

2000年 武蔵野美術大学大学院 テキスタイル専攻修了。教育関係の仕事などを経て2009年、尾道・向島に移住。株式会社立花テキスタイル研究所を創設、主宰。

向島で80年以上織られ続けている帆布を、地域から出る廃材で染めた環境配慮型の製品を製作、販売。地域で生まれたものを原料にする取り組みをしながら、糸紡ぎ、染め、織りの指導などを全国で行う。

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