妻が鳥に呪われています。| 新里カオリのお悩み相談室

ここは「新里カオリのお悩み相談室」。

三浦編集室読者の皆さまからの様々なお悩みに、広島・尾道市の立花テキスタイル研究所主宰・新里カオリさんがユーモア&愛情たっぷりにこたえてくださいます。

※この記事は2019年5月発行の「三浦編集室Vol.1」から転載したものです。




<今号のお悩み>

妻が鳥に呪われています。鳩の糞を目に落とされ病院行き、運転中フロントウィンドーがカラスの糞にまみれあわや事故 などなど、
「うん」がついていると言えばついていますが、困ります。
呪いを解くにはどうすればいいのでしょう。

(三浦 編集長/32歳・男性)

A、私が住んでいる向島のある食堂のマスターが、別名「生き物博士」として地元の子供たちに大人気です。

先日彼のお店に行ってカレーを食べていると、おもむろに
「よう、この世界のチリやホコリの殆どが何かの、う〇こだってこと、しっちょるか?」
と言われました。

カレーを食べてる時にそんな話かと驚きを隠せませんでしたが、
仕方なしに続きを聞くと、実に興味深い内容でした。

例えば落ち葉を虫が食べ、その糞を微生物が食べ、さらに細かくする。それが風に舞って飛んでいき、土の上に落ちたり、私たちの口にも入っているのだと。
自然物はそのほとんどに分解者が存在するので、とどのつまりはすべて糞なのだということです。
ふーん、と思いました。

だとすると、鳥のフンは単に大きいので、それが排出された瞬間から顔に落ちてくるまでが鮮明に見えるだけの話で、
それ以外の微細なものと、さして違いはないということになりますね。
昔はウグイスの糞などは女性の美容に良いとされ、パックにも使われていたそうですから、
それをただ歩いているだけでかけてもらえるなんて、奥様は無料でエステを受けているようなものです。
呪いどころか、なんてラッキーな方なのでしょう、同じ女性として、羨ましい限りです。

ただ、さすがに目には入らない方がいいような気がしますので、お外を歩かれる時や、運転するときなどはしっかりと目をつぶっていた方がいいかもしれません。

奥様に呉々もよろしくお伝えください。

お悩み相談 受付中!




新里カオリ(にいさと・かおり)
1975年 埼玉県生まれ。

2000年 武蔵野美術大学大学院 テキスタイル専攻修了。教育関係の仕事などを経て2009年、尾道・向島に移住。株式会社立花テキスタイル研究所を創設、主宰。

向島で80年以上織られ続けている帆布を、地域から出る廃材で染めた環境配慮型の製品を製作、販売。地域で生まれたものを原料にする取り組みをしながら、糸紡ぎ、染め、織りの指導などを全国で行う。

おすすめ記事

立花テキスタイル研究所・新里カオリのお悩み相談室の他の記事

石見銀山 群言堂