オークヴィレッジには「お椀から建物まで」という理念があるように、家具や小物のみならず、木を活かした木造建築も建てています。第10回の今回は、オークヴィレッジの建築について、建築事業部・井元の話をお届けします。
オークヴィレッジには「お椀から建物まで」という理念があるように、家具や小物のみならず、木を活かした木造建築も建てています。第10回の今回は、オークヴィレッジの建築について、建築事業部・井元の話をお届けします。
こんにちは。オークヴィレッジで建築設計及び現場監督をしております井元と申します。今回はオークヴィレッジの建築の紹介ということで書かせていただきます。
私はもともと大学時代から建築の道に進んでいたのですが、就職時はゼネコンに入って現場監督等の仕事に従事しておりました。鉄筋コンクリートや鉄骨の建物があまり好きになれず、木のぬくもりを感じられる木造建築の道に進むことにしました。
東京・三鷹の家
しかし、木造建築をきちんとやっている所がなかなか見つからなかったので、まずは木のことを知ろうと思い、仕事を辞めて東京にある木工(家具作り)の職業訓練校に行きました。
そこでオークヴィレッジのことを知り入社してから、いつの間にか20年が過ぎていました。
川崎・住み継がれる家(古民家改修の例)
木造建築は木だけではなく石や土、和紙、コンクリートなどいろいろな素材を使って出来上がりますが、最近の木造建物は、一番肝心な「木」をおろそかにしているような気がします。
天然の木は反ったり曲がったり割れたりするので、集成材やベニヤに加工してクレームのないようにしています。また壁の中に木を隠してしまって見えないようにしています。それでは木の本来の良さが分かりません。
本当は木の性質を理解し、どんな木でもその木を生かす使い方を考えるのが大事なのではないかと思います。昔の大工さんのほうが、そういったことに長けていたような気がします。
鎌倉・風の通り抜ける家(マンション改修の例)
オークヴィレッジは、理念の「お椀から建物まで」の通り、木に関してすべてのことを得意としています。
大工も社員として所属しており、昔ながらの棟梁から技術を習得しているので、木の性質を理解したうえで作業を進めております。また設計する上でも、大工の意見を聞きながら進めていくことができるので、理にかなった構造や仕上げにすることができます。
そういった総合力がオークヴィレッジの建築の良い所ではないかなと思っています。
施工風景(※)
東京・明治神宮 杜のテラス(外観)
東京・明治神宮 杜のテラス(内観)
きちんと考え、うまく木を使って造った空間はとても気持ちの良いものです。誰でもその空間に身を置けば実感すると思います。
私たちが造る建物は個人住宅が多いため、出来上がってからなかなか空間を感じることができませんが、店舗も造っておりますので、実際に訪れて空間を体験していただけると幸いです。
写真/齋部功(※は除く)
【プロフィール】
オークヴィレッジは、木のおもちゃや家具、木造建築を手がける木工房です。1974年の創業以来、日本の森から木という恵みをもらい、飛騨高山の地で日本の伝統技術を駆使したモノ造りを行いながら、森林保全活動や林業の6次産業化にも取り組んでいます。
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