日ごとに夏の気配が強まって、こちらではまもなく蛍が飛び始める頃。
「しつらえ替え」の気配があちこちのお宅から感じられる時期でもあります。涼しげなのれんやすだれをかけたり、水を張ったガラス器に草花を挿して飾ったり。こんな時期は、朝夕の打ち水が一層すがすがしく、心まで洗い清めてくれるようです。
「流れる水は腐らず」ということわざのとおり、古くから流水は、清らかさやよどみない進化の象徴。衣や住まいに水の文様が多用されてきたのもそのためですが、その美が一番輝くのはやはり夏でしょう。
日ごとに夏の気配が強まって、こちらではまもなく蛍が飛び始める頃。
「しつらえ替え」の気配があちこちのお宅から感じられる時期でもあります。涼しげなのれんやすだれをかけたり、水を張ったガラス器に草花を挿して飾ったり。こんな時期は、朝夕の打ち水が一層すがすがしく、心まで洗い清めてくれるようです。
「流れる水は腐らず」ということわざのとおり、古くから流水は、清らかさやよどみない進化の象徴。衣や住まいに水の文様が多用されてきたのもそのためですが、その美が一番輝くのはやはり夏でしょう。
そこで私たちも新しい水の表現に挑戦してみることに。素材に選んだのは「綿麻楊柳」。
定番の「もみほぐし麻」で長年のお付き合いがある「滋賀麻工業」さんと、約2年の歳月をかけて作り上げた生地です。
単色の無地も素敵ですが、今シーズンはここにプリントをほどこすことがテーマ。でもこれがまさに「言うは易し、行うは難し」。滋賀と島根で、試作の染め見本をいくつもやりとりしても、理想の表現にはあと一歩、いや二歩及ばず。頭を抱える私たちに大いなる力を貸してくださったのが、京都の染工場さんでした。
綿麻楊柳藍染め(2020年)
生地に版を置き、糊で防染してから手捺染で色を重ねていく、丁寧な仕事。版を作る人、染める人の経験と技がリレーして、初めて生まれる自然な美しさがそこにあります。京の町が培ってきた、染の伝統の底力を感じるできごとでした。
楊柳絞りプリント(2021年)
「縫い締め絞り」の技法で染めたような、ランダムな青と白が描き出す水の気配。
ふわりと身にまとって出かけてみましょう。それがたとえ近くの公園でも、夏草の息吹が新しい季節の始まりを告げています。「涼」の風景、その一部になる楽しみ。水のように日々をやわらかく、みずみずしく。そんな暮らし方に思いを馳せます。
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