通称「ロロロ」。
四角の模様がカタカナの「ロ」に似ていることから、群言堂ではこの生地を「ロロロ」と呼んでいます。
通称「ロロロ」。
四角の模様がカタカナの「ロ」に似ていることから、群言堂ではこの生地を「ロロロ」と呼んでいます。
メンズシャツ山桑 (2020年)
実はこの素材、2000年にも織っていただいたことがある復刻素材なのです。
復刻を望んだのは群言堂会長 松場大吉(以下:大吉さん)。
大吉さんは福田さんの素材が大好き。長年愛用のシャツもたくさんあります。
そんな大吉さんが「ロロロの新しいシャツがほしい」と希望し、このたび ロロロの復活・メンズウエアの復活となりました。
(有)福田織物:福田社長
1990年代半ば。福田さんは生地屋さんが集まる見本市に、遠州のテキスタイルグループの一員として参加しました。
それがきっかけで石見銀山を訪れ、大吉登美に初めて出会います。
順調にお取引が始まったわけではなく、当時はなかなか採用されませんでした。
大吉さんは何度も「これはどうだ」と福田さんの生地を登美さんや企画スタッフに推薦しました。
「初めて決まったのは80番手の三重織でした」そう話す福田さんは当時を今でもはっきり覚えているご様子。
あるとき大吉さんは小さな絣柄の古布を渡して「こういう柄の織り生地がほしいんだよ」と提案しました。
それが「ロロロ」のはじまりです。
元になったのは小さい絣柄の古布でした。
織物のスペシャリストである福田さんは要望を承諾。ドビー織機を駆使して生地の設計に取りかかってくださいました。
それは単に「柄 → 織り」で再現するのではなく、凹凸のシボをつけた表情豊かな新しい素材の開発でした。
群言堂らしさも表現してくださったのです。
大吉さんと登美さん
20年以上前に生まれたこの素材。ものづくりのノウハウも向上した今なら簡単に作れると思っていたのです。
それが復刻するにあたり失敗の連続! 当時の表情にならなくて何度もやり直すことになりました。
この素材は織り上げたら終わりではなく、織りあがった生地を「洗う → 乾燥させる」という工程で表情変化を出しています。その仕上げる加減もとても難しかったのです。
織り職人さんと仕上げの職人さんの試行錯誤でようやく2020年版の「ロロロ」ができあがりました。
大吉さんが「また着たい」と復刻したシャツには着心地の良さだけではなく、共にものづくりを追求しつづけてきた同士である福田織物さんとの長年の絆も込められています。
ポコポコとした表情が特徴的。シャリ感があり肌にくっつかずさらりとした肌ざわりが心地いい。「先染めドビー(2020年)」
- カテゴリから探す -
衣着て楽、見て楽の服
食丁寧に、味わい深く。
住暮らしを紡いでゆく
- シリーズで探す -
- 素材で探す -
© 石見銀山 群言堂 All Rights Reserved.