登美のテキスタイルづくりへのこだわりは、手描きの味わいをそのままに生地で再現すること。
手描きといってもいろんな筆や道具を変えて様々なタッチに挑戦しています。
登美のテキスタイルづくりへのこだわりは、手描きの味わいをそのままに生地で再現すること。
手描きといってもいろんな筆や道具を変えて様々なタッチに挑戦しています。
(株)ソトージェイテック 小野内さん
そんな自由な発想で柄づくりができるのも、一緒に協力してくださる生地屋さんがいてくれるからこそです。
(株)ソトージェイテック の小野内さんは、群言堂がお願いする柄を忠実に再現するようにプログラミグしてくださる技術者。群言堂のものづくりにおいてかけがえのない職人さんのおひとりです。
登美の企画チームのひとり半田さん。柄の配置や配色のシミュレーション中です。
登美のテキスタイル作りについて半田さんは「手描き」にこだわっています。
パソコンで簡単に描ける線や丸も、必ず自分の手で描くそうです。 それはストライプの線1本でも、です。
半田「まっすぐじゃない均等じゃない、ちょっとしたよろけや歪み。そこに登美の味わいがあると思うんです。」
刺し子の原画。
キレイすぎず激しすぎず。素材によってランダムさも様々。
よろけやカスレ、ゆがみ、いびつさ。 登美所長が大事にしてきた「手の味わい」を柄づくりに取り入れています。
繰り返し柄の展開ができるように調整する「送りを付ける」という作業も半田さんが行います。
「針抜き和柄ジャガード」2018年 登美
ー この小っちゃい十字絣も描いたんですか?
半田 「そうですよー。これは筆で描いたやつなんです。」
この縦の線も手描きです。
半田 「この小紋のところも、同じように見えるけど一つ一つ違うんですよ。少しずつ大きさが違っていたり、ちょっとずつ違うんです。」
ー す、すごい!!
パソコンで簡単に描ける「均等な柄」ではなく、少しいびつに「ランダムに配置」するそうです。 その作業はパソコンを使っているのにも関わらずなんとも「アナログ」。 そしてとっても面倒・・・。
最初からパソコンで描けば早いし効率も良いのだけども、登美所長から続く「手の味わい」を出すにはやっぱり手描きにこだわります。
「針抜き和柄ジャガード」2018年 登美
手描きの柄モチーフをスキャンしてパソコンに取り込み、ひとつずつランダムに配置して柄を作っています。なので半田さんの机にはパソコンの他に、絵筆や墨汁、筆ペン、絵の具、刺繍キット、彫刻刀、消しゴム・・・と いろんな画材があるんです。
(さつまいもがいっぱいの時もありました!)
柿渋の紋紙で作ったり、筆だけでも「硬さ」や「乾き」の加減で使い分けます。
松葉を乾燥させて作った手づくりの「松の筆」。
日々(次は何を画材にしようか?)と足元に落ちてるものだって見逃しません!
「小輪っかジャガード」の元は、この消しゴムハンコ!
押し方を工夫してこんな感じの原画になっていました。
企画の要。「スケッチブック」をちょっと覗かせてもらいました。
「麻シャンブレー洋種山牛蒡プリント」の原画!
実じゃなくて花の方なんですね。筆で繊細に描かれていました。
麻シャンブレー洋種山牛蒡プリント( 2019年 登美 )
ブラウス額空木(がくうつぎ)
チュニック薇(ぜんまい)
ワンピース常葉はぜ(ときわはぜ)
こちらは荒ぶるタッチ!
いろいろな掠れやにじみの試行錯誤の痕跡が・・・
いろんなテクニックを試しては「手の味わい」を素材に活かそうと挑戦しています。 そんな自由な柄づくりができるのも、ソトージェイテックさん・小野内さんや職人さんが忠実に再現してくれるからこそ。 職人さんが手間ひまかけて群言堂の生地に向き合ってくださるからこそ、登美らしい生地が生まれるのです。
昔、ソトーさんに生地の依頼をした時です。
柄図案を忠実に再現しようとしてくださって・・・。 柄じゃない線(指示で書いた矢印線)まで、編み地のプログラミングをしてしまったそうです。今では笑って話す懐かしい話ですが小野内さんの真面目さと、群言堂のものづくりに真摯に向き合ってくださっているからこそのありがたいエピソードです。 正直「もっと簡単だったらもっと早く編めるのに」なんて葛藤はなかったのでしょうか。お尋ねしたところ岩田社長が答えてくださいました。
岩田社長「小野内はそういうことはないですね。楽しんじゃう(笑)。 企画者っていうのは一緒にものづくりしていくことを楽しいと感じる人間にしか出来ない。だからどれだけ時間がかかってもケロッとしちゃうんです。」
(株)ソトージェイテック:小野内さん
これからも続くソトージェイテックさんとのものづくり。
新しい挑戦には失敗やうまくいかないことも付き物ですが、職人さんと試行錯誤を経て出来た商品をどうか楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。
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