刈った後、少しずつガンギで叩き整えます。
2017年6月15日(木)
本日からは、上から下に向って茅を刈り揃えながら下りてきます。足場の杉が外れるため、もうそこから上に登ることはできなくなります。チェーンソーやハサミを使って刈り揃えていくこの作業を「散髪」とも言うそうです。今は機械を使うことができるので、昔ほど時間がかからないそうです。
チェーンソーの刃を磨きます。
カラスという道具で茅が引っ込んでいる部分を引っ張り出します。
引っ張り出した茅をハサミで刈っていきます。
破風の内部にもう少し手を加えます。
破風の内部です。いかにも鳥が巣作りしやすそうですね!
2017年6月16日(金)
散髪も順調に進み、屋根の中腹まで刈り揃えてられてきています。妻側は破風に鳥などの動物が入らないように格子を取り付けるため、平(広い面積の屋根側)の東西から仕上げていきます。2本、3本と横木が外され、刈り揃えが進んでくると、屋根が急に大きく見えてきました。そして、屋根に優しい緩やかなカーブが浮かび上がった時、本当に美しいと思いました。
破風に動物が入ってこないようにするために制作中。
こんな格子になります。
だんだんと下に降りてきました。
海原にいるかのようです。
ガンギが小さく見える大きな面です。
優しい丸みがあるカーブが現れました。
2017年6月19日(月)・20日(火)
刈り揃えが完了したそば畑側の平(ひら)では、軒の仕上げが始まりました。テグスを張ってハサミで慎重に刈っています。今までダイナミックに作業していた職人さん達が、ペタンと座り込んで少しずつ少しずつ軒を整えていく姿には頭が下がります。
なにやら的川さんと佐藤さんも地道な作業をしているようなので尋ねると、刈り揃えた面の隙間が空いているところに、茅を差して埋めているとのこと(写さないで!とのことでした)。こうやって、きれいな屋根に仕上がっていきます。
刈りこみすぎないように、緊張感を持って作業します。
表面をチェックする的川さん。
軒をガンギでコンコンと叩いて調整しています。
最後の横木を取り外します。
ハサミで刈った後、ガンギで整えています。
表面に残った茅をホウキできれいに落とします。
よく切れるように研いだハサミを駆使して刈っています。
2017年6月22日(木)・23日(金)
屋根の横木が全て外されました。それは刈り揃えが完了したことを意味します。目の前には、今までモサモサと茅で覆われていた屋根だったことが信じられないほど、美しい曲面に仕上がった屋根が現れています!
その軒先の最後の仕上げがこの2日間で行われました。この大きな屋根の、ほんの先端のわずか数センチを刈って揃えるような繊細な作業です。暑い中、足場に座りこんで長い間、職人さん達が作業した結果、芸術作品のように美しい茅葺屋根にとうとう生まれ変わりました!
北西の「つばめ口」もいよいよ仕上げです。
わずか2cmの刈り揃えには驚きました!
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