BURAHOUSEから群言堂

群言堂本店の看板、創業の想いを忘れないように今でもブラハウスの看板を掲げている。

ブラハウスという名前の店を作って16年(2004.9現在)になります。
オープン当時は、現在カウンターのあるフロアだけの店でした。
当時は、パット ワークやカントリー雑貨が隆盛の頃、私もまだ三十代子育ての真っ最中でした。
母親のてづくりのぬくもりをコンセプトに、
可愛いくまやうさぎのアップリケ のついた商品を作っていました。

時折、昔の商品を目にすると「こういう時代もあったんだなあ」と
自分自身の昔の写真を見るような、なつかしくも気恥ずかしい気持ちにさせられます。
店もすこしづつ改修を加え、変化してゆきました。
同時に私のものづくりも、その時折の状況や空間の変化や、人との出会いの中で変化してゆきました。

子育てが一段落した頃、
これからは自分自身のためのものづくりをしようと考えはじめ誕生したのが群言堂です。
母親としてではなく一人の 人間、一人の女性として、
自分の持つ価値観を大切に、美しい暮らし方を模索し始めました。
早いもので群言堂が生まれて十年になります。

ブラハウス時代の商品

ブラハウスの商品を 作って十年、群言堂の商品を作って十年、
一つのことを仕上げるのには十年かかります。
でも、十年かけてやっと作り上げた頃には、次への変化を求められま す。
私は、これを時代の気分と表現しています。

芭蕉の俳諧用語に”不易流行”という言葉があります。
不易は森羅万象を司る不変の法則。
流行は時代性とか環境状況によるさまざまな変化、しかもこの不易と 流行は根本において一つであり、
又、時には不易が流行を、流行が不易を動かすこともあるといいます。
この言葉を知って以来、不易という永遠性と、
流行とい う時代性の狭間で変化し続けることの妙味に、限りない興味を覚えるようになりました。
私達夫婦の合い言葉は十六年前から「常に未完成であること」でした。

変化を続ける群言堂に、ご期待下さい。

登美

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