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日に日に暖かくなり、木々の緑が芽吹き出すこの時期。庭に出るだけでも「うふふ」と笑いがこみ上げて、そのうれしさを誰かと共有したくなります。そんな春の食卓は、小さな祝祭。 生命力に満ちた旬の恵みをいただく喜びを、なんでもない日常にある足元の幸せを、身近な人と祝いあいたいと思うのです。

そちらもお変わりありませんか。群言堂から春の「おりおり帖」をお届けします。心はずむお出かけや、おうち時間の充実に役立つ、小さな喜びのタネを見つけていただければ幸いです。

春を感じながら過ごす日々に、
ふさわしく。

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    表情の味わいを求め続け、手間と時間を惜しまず注ぎ続けたなかで、染めの妙味で生まれた、ルポワン染め。やわらかな風合いの上質な麻に、遊びごころを加えた、光を味方につける一着です。

少し大きめな男ものの服を、さりげなくまとった女性の小粋な姿って、いいものです。たとえばこの見開きで着用したブラウス山桑やキャンバスコート泰山木は、どちらも男女を問わない同じ型。パートナーと共有して楽しむのも素敵です。

こちらの女性モデルはあえて大きめのLサイズを着用。
長い袖を無造作にまくり上げ、 腰まで隠れる丈はボトムスにインしてすっきり着こなしました。

重ね着でも、一枚でも。薄手でなめらかなコットンシフォンは、綿100%でやさしい着心地。身頃は二枚仕立てで透け感を抑え、袖のみ一枚仕立てで軽やかに。寒い時期はセーターのインナーに、あたたかくなったらコーディネートの差し色にと重宝し、着ぶくれしないのがポイント。

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私たちが暮らす
この里山の植物から
授かった色と物語が、
あなたの暮らしを
美しく彩りますように。

一枚の衣、ひと色との出会い。それが遠く離れた里山に思いを馳せていただくきっかけになれば。そんな思いでスタートした「里山パレット」の染めは、植物から授かった色に、少量の化学染料を加えることで色の強度を補っているのが特長。

植物から授かった色は、人の目ではとらえきれない多彩な色味の総体であり、化学染料の均一な色味にはない複雑な奥行きを醸し出します。また植物由来染料で染めた生地は、その日の気候や時間などによって見え方が変わる多面性を持っているのも魅力。

一方で、化学染料を足すことによって、日光や洗濯によって退色しやすいという草木染の弱点をカバー。工芸品ではなく、身近な日常着として愛用できるクオリティを叶えています。

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木陰に座って、さやさや揺れる梢の光と音に包まれて。心地よい衣とともになんにもしない休日を。

活気のある季節にも、
ゆっくりは大切です。

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何かと忙しい春。
一日の終わりに
心とからだをゆるめる
やさしいひとときを。

新しい役目が増えたり、新しい学びを始めたくなったりと変化の多い春。陽気に誘われて、めきめきとからだを動かしたくなる時期ですが、知らず知らずのうちに疲れが溜まっていることも。

そんな今の季節に意識したいのが夜のリセット時間です。ゆっくり湯船に浸かって疲れを洗い流し、お気に入りのパジャマやタオルに包まれて、ご自分を素に戻してあげましょう。好きな本を片手に、満たされた気持ちで眠りにつけば、明日の目覚めもきっと爽やかです。

日本を楽しむ、
やわらか極上タオル。

洗顔後やお風呂上がりの肌に、ささやかな幸せを添えてくれる上質タオル。群言堂の新作は、肌ざわりのやさしいピマ超長綿と、吸湿発散性にすぐれた中長綿をバランスよくブレンドしたオリジナル綿糸を使い、タオルの名産地・今治にて高密度なロングパイルに織り上げた自信作です。

日本の伝統色を意識したカラー展開で、空間との調和も上々です。ふれるたびうっとりするような繊細なやわらかさが持ち味ですが、洗濯を繰り返してもこの風合いが長持ちするのが嬉しいところ。大切な方への贈りものにもきっと喜ばれます。

日々の幸福度をぐっと上げてくれるもうひとつが、着心地も見た目もよいナイトウェア。他人の目に触れるものではありませんが、上質な眠りに誘われる満たされ感は、何にも変えがたいものです。

群言堂の新作パジャマは、糸の太さにムラのある「逆スラブ糸」を緯(よこ)糸に織り込むことで生まれる凹凸感や、さらっとした肌離れのよさが魅力。無駄を省いたシンプルなかたちで、生地のよさを最大限に引き出しています。

部屋着としても絵になり、長年愛用するうちに生まれる経年変化も楽しみな、付き合い甲斐のある一着です。

表情豊かな先染め糸をやさしく織り上げた上質な風合い。浜松の福田織物さんとこだわってつくった自信作です。

一度着たら手放せなくなる
最愛パジャマ。

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MeDuの開発者に教えてもらいました。

眠っている間におなかの中から美肌を育てる発酵薬膳ゼリー〈肌糧〉。
薬膳と酵母の力を、毎日の味方に。

一日の仕事や家事に追われて、気づけばあっという間に夜。肌のお手入れに手間はかけていられなくて……とお思いのあなたに、ぜひお試しいただきたいのが、MeDuの「食べるスキンケア」、発酵薬膳ゼリー〈肌糧〉です。おやすみ前に一包食べれば、あとは眠っている間におなかの中からゆっくりと美肌の土台を育ててくれます。

〈肌糧〉が生まれるきっかけとなったのは、石見銀山に咲く梅の花から発見された自然酵母「梅花酵母」との出会い。その恵みを腸内環境改善と美肌づくりに役立てようと研究を重ねてレシピを完成させました。

睡眠中、腸は「お掃除モード」になりますが、そのモードを後押しして肌にもよい効果をもたらそうというのが〈肌糧〉です。梅花酵母による発酵の恵みと、古くから伝わる薬膳の考えを組み合わせ、すこやかな巡りをサポートする8つの食材をブレンドして、じっくり熟成させました。

島根県産ハトムギを梅花酵母で発酵させたペーストやクコの実、菊花、蓮の実など厳選食材の滋味に、蜂蜜のやさしい甘さが溶け合った飽きのこない味わいで、冷蔵庫で冷やすと一層食べやすくなります。まさに「食べるだけ」の簡単美容法ですが、からだの内からうるおいを巡らせる力をサポートしてくれます。

そんなふうに忙しい女性たちにうれしい〈肌糧〉ですが、その効果はよい眠りとセットでこそ十分に発揮されるというもの。イライラや心配ごとなどはいったんリセットし、おだやかな気持ちで、できるだけ日付が変わる前にベッドに入りましょう。

そして呼吸を深くととのえ、心地よい眠りの中へ。一日の終わりにほんの少しご自身の内面と向き合い、いたわることが、美と健康の秘訣。あなたも〈肌糧〉と一緒に「ごきげん素肌」な毎日、始めませんか。

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「銀山に咲く梅の花から酵母が採取できないだろうか」。そう考えたのは、群言堂スタッフで農学博士でもある房薇(ファン・ウェイ) でした。

2009年春、最初の実験で見事に私たちの前に姿をあらわした梅花酵母は、その後の研究により、数々のすぐれた特性を持つ酵母であることが明らかに。天の授かりもの梅花酵母は、こうして島根の地域資源となったのです。

おやすみ前に〈肌糧〉を一包食べて、起き抜けに白湯を一杯。この2つが、睡眠中にお掃除モードになる腸のはたらきをサポートして、朝からおなかすっきり。淀みを溜めない心地よさ、ぜひお試しください。

梅花酵母が入っているパンも、
おいしい。

ドイツにおけるパン職人の国家資格「製パンマイスター」の称号を持つ日髙晃作さん。今ではすっかり町の人気者です。

生地のおいしさを味わいたい梅花酵母パン。厚めに切ってそのままか、軽くトーストしてどうぞ。

群言堂本店のご近所でお店を営む日髙晃作さんのパン。 「梅花酵母」をはじめ天然酵母仕込みのおいしさを、あなたの朝にもどうぞ。

2015年のオープン以来、私たち群言堂のご近所で愛されているお店、それが「ベッカライ コンディトライ ヒダカ」。ドイツで修行を積んだのち、縁あってこの地に移住した日髙晃作さんと奥様が営むドイツパンとお菓子のお店です。お店を構えるのは、かつて約60年間にわたって町で愛され、惜しまれながら店を閉じたパン屋の建物。日髙さんはここを受け継いで、町に新たな活気をもたらしてくれています。

「最初は妻や子どもを妻の実家において一人で来たもんだから、町の人が心配してくれてね、晩ごはんに呼んでくれたり、おかずを差し入れてくれたりして」と移住当時を振り返る日髙さん。天然酵母と国産小麦にこだわった食事パンのほか、近隣の里山で採れるくるみや果実を使ったローカル色あふれるパンも評判を呼び、お店はたちまち人気店に。この町の魅力を知った奥様も、お子さん連れでの移住を決意しました。

日髙さんが、石見銀山に咲く梅の花から発見された「梅花酵母」を知ったのはちょうどその頃。日本酒や味噌、ビールづくりなどにすぐれた有用性を持つこの酵母で発酵させたパンは、雑味が少なく、噛むほどにふくよかなうまみが広がります。

「お米との相性もいいので、国産小麦に地元産の米粉を10%ほど合わせています。湯だね製法でもっちり食感に仕上がっているので、日本人の好みに合うんじゃないかな」

今回ご紹介するパンセットは、そんな梅花酵母パンや食パンなどの定番に、季節のおすすめを詰め合わせた充実の内容です。焼きたてを冷凍でお届けするから鮮度も長持ち。朝の楽しみがひとつ増えそうです。

遠方からわざわざ
買いに訪れる人も多い誠実な味。
遠方からわざわざ買いに訪れる人も多い誠実な味。日髙さんが選ぶ季節のおすすめを詰め合わせたバラエティセットです。必ず入っているのは、定番の梅花酵母パンに角食パン、そしてドイツ名物ブレッツェル。あとは届いてからのお楽しみです(写真は参考イメージです)。

このところ夫に「高齢者生きがい対策だね」とからかわれながら、せっせと手入れを続けている「福富家」という家があります。大森町から少し離れた町にあるこの空き家を縁あって譲り受けたのは数年前。家財道具もろとも長く放置されていた荒れ放題の家で、とりあえずゴミだけは処分したものの、その後はとくに手をつけないまま月日が過ぎていました。

そんな風向きが変わったのがコロナ禍。降ってわいた自由時間を使って「障子や畳ぐらいは張り替えを」とやり始めたら、いつもの「普請道楽」の虫がウズウズ……。あるとき夫に内緒で壁を打ち抜く工事を大工さんにお願いしたのが決定打となり、そこからはもう止まらなくなってしまったのです。

周囲の人や孫たちの手を借りて漆喰や柿渋を塗ったり、倉庫で眠っていた古い建具を、ここぞと睨んだ場所にはめ込んで「してやったり!」とニンマリしたり。誰に頼まれたわけでもなく、家の使い道など考えるのも後回しで、さらにお財布のことも知らぬふりして、わくわくと心躍る日々。裏山の手入れや庭づくりなど、やりたいことを数えれば80歳まではかかりそうです。

でもターシャ・テューダーだって60歳からあの庭をつくったのですから、今からでも遅いなんてことはない。家の声なのか、天の声なのか、何か見えない力に背中を押されている気がしている私は、「次のライフワークが始まった」とばかりに意気揚々としています。

東北には「迷い家(まよいが)」という、訪れる人に福をもたらす幻の家の伝承があったそうです。山路に迷った人の前にあらわれるその家は、恐ろしい山賊の住まいかと思いきや、さにあらず。そこを去った後に不思議な幸運が舞い込むのだといいます。

そんな話を知ると、受け継いだこの家の名が「福富家」だったということも一層味わい深くて「そうか、ここは現代の迷い家か」と山姥ならぬ登美は一人含み笑い。あちこちから寄せ集められたものたち、打ち捨てられ忘れられていたものたちに新たな命を吹き込んでできたこの家には、現代の人たちが忘れてしまった福と富が隠れているかもしれません。