2014年、群言堂の広報誌としてスタートした『三浦編集長』。
当時入社3年目だった広報の三浦は突然会長・松場大吉に呼び出され「そろそろ仕事にも暮らしにも慣れてきただろうから、自分の視点で暮らしを伝える新聞を書いてみい」と指令が下ったのだった。
書くことが好きで学生時代にスポーツ専門誌の記者をしていた三浦。就職活動時は新聞記者を目指していたこともあった。大吉つぁんは入社後なかなか自分の役割を見つけられず燻っていた三浦に活躍の舞台を用意し、発破をかけてくれたのだった。
とりあえず「わかりました」と答えたはいいものの、1ミリの編集経験もない三浦。手探りしながら半年かけてようやく創刊に漕ぎ着けた。誰に相談していいかもわからなかったため写真から文章まで三浦が一人で手掛けることに。
そうして出来上がったのは群言堂の商品や事業内容に全く触れず、ひたすら日々の暮らしのことを盛り込んだ誌面。ほぼ三浦のプライベートそのままの内容は社内で物議を醸したのだった。
しかしやがて石見銀山大森町発のローカルフリーペーパーとして定着し、3000部から始まった発行部数は25000部へと成長し、配布場所も群言堂店舗を中心に60箇所以上になった。
群言堂の大切にする本拠地・大森町の暮らしを住民目線で伝えるその誌面は商品や事業内容ではない「理念の広報」の役割を果たしたのだった。そして5年が経った2019年、19号と号外3号の計22号を発行して『三浦編集長』は終了した。